子供たちが元気に園庭に集まってきました。朝礼の始まりです。朝のご挨拶の後、担当の先生が手作りの漢字カードを提示しながらお話を進めていかれました。入園してまだ三か月もたたない年少児までが集中してお話を聞いている姿に感動を覚えました。まさに、石井勲先生が提唱されている『漢字で遊ぼう』の原点を見た思いでした。そのことについてお尋ねすると日直の先生が、季節のことや子供たちに伝えたいことなどをカードに書き、毎日行っているとのことです。また、朝礼に限らず、誕生日会や運動会などの様々な行事に漢字カードを活用されています。
美しい言葉を子供たちに触れさせたいということで、年少には諺、年中には俳句、年長には百人一首を毎日の保育の中で指導されています。十数年前までは、年末に漢字かるたをプレゼントされていましたが、かるたをより有効に活用したいという本多顕義園長先生のお考えで保育の中に取り入れる方法を編み出されました。主任の先生のお話では、新年度に説明書を付けて各かるたを渡されます。家庭で一枚ずつ、かるたに穴を空け順番にリングを通して持たせるというやり方です。当初は、保護者に負担を掛けるためクレームもあるのではないかと心配されていましたが、逆に園の保育内容に関心を持っていただき賛同の声が多かったそうです。実際の指導としては、一学期に慣れ親しんだものからリングかるたを一緒に読んでいきます。子供たちは、読める楽しさ、めくる面白さが加わり、どの子も夢中に取り組んでいるということです。また、週三回の縦割り保育の時間にかるた取りを楽しく入れておられます。そして、その発展として卒園児を含めた十名前後の子供たちが、毎年「全国かるた大会」に参加し、優秀な成績を収められています。
小学校で英語教育の導入が決まり、私立幼稚園、保育園では当たり前のように英語を取り入れる園が増えてきました。明佳幼稚園では、英語に加え第三言語として年長児を対象にフランス語を週一回実施されています。
「海外にはいろいろな国があり様々な言語があります。英語だけが外国語だと錯覚している子供たちに、発音の違うフランス語に触れさせ言葉遊びの一つとして楽しませているだけですよ。大切なことは、母国語である日本語を幼児期からしっかりと身につけさせること」
園長先生は、力強くお話ししてくださいました。